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年齢とともに増える乾皮症~正しい対処のコツ

クリスマスにお正月など、冬は楽しいイベントが多いものの、肌の乾燥、ガサつきで悩みがちな季節でもあります。冬は仕方がないとあきらめる方も多いかもしれませんが、正しい対処を重ねていけば、冬の間もうるおいをキープすることは可能です。今回は、年齢とともに増えていく肌の乾燥、ガサつきの原因と、効果的な対処法についてご紹介します。

これってもしかして乾皮症?
乾燥する時季になると、肌がかゆくなることが増えてきます 秋も終わり、冬の気配を感じるようになると実感するのが肌の乾燥、ガサつき。夏の汗ばむ季節にはムレ、ベタつきが気になっていたのが、わずか数ヵ月で肌の悩みも変化。冬の季節には、夏とは異なるお肌の対処法や生活習慣の改善が必要となってきます。

通常、私たちの肌は、細胞間脂質(セラミドなど)や天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor:NMF)といった成分が肌の水分を保ち、皮脂と汗が混じり合い皮膚表面に膜を張ることでうるおいを保っています。

ところが、冬になると気温の低下により血流の悪化を招き、体のすみずみまで栄養が行き届かなくなって、細胞間脂質や天然保湿因子、皮脂がじゅうぶんに生成されなくなります。また、大気の乾燥に加え、室内での暖房の使用によりさらなる湿度の低下を招き、肌はうるおいを失い、バリア機能も衰えてトラブルを起こしやすくなってしまうのです。

このような、乾燥してトラブルを起こしやすくなった肌の状態を「乾皮症」といいます。
40代以上女性の半数以上が悩んでいる
40代以上の女性が乾皮症に悩んでいる 乾皮症になると、ひじや二の腕、背中、太もも、ひざ、脛、腰などの皮脂の分泌の少ない部位で乾燥、ガサつきが現れやすくなります。冬の季節にやっかいなのは、これらの部位はつねに衣類に触れるため、かゆみを生じやすいという点です。ガマンできずにかくと肌は白く粉をふいた状態となり、濃い色の衣類に付着してフケのように目立ってしまいます。

こうした症状はけっして一部の方のお悩みではなく、40代以上の女性の約55%、およそ2人に1人が乾皮症に該当するという報告もあるほどです。

ただ、ありふれた症状だからといって、「よくあること」「いずれ治る」と放置していると、しだいにちょっとした刺激にも敏感に反応しがちになり、かゆみを強く感じるようになります。そして、しょっちゅう肌をかくようになって炎症を引き起こし、かいた部位が化膿するなど、やっかいな肌トラブルへと進行していくのです。
乾皮症は加齢とともにどんどん増える!
高齢になると乾皮症になりやすくなる さらに「乾皮症」は、高齢になるほど生じやすくなることが分かっています。

その要因として、まず、高齢になると体の代謝機能が低下し、細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂の分泌が自然と減少していくことが挙げられます。また、角質層があたらしく置きかわるのに要する時間(ターンオーバー時間)が延長することで、乾燥した角質層が皮膚表面を厚く覆い、細かなひび割れや粉ふきが生じやすくなるのです。

日常生活では、足腰を思うように動かせなくなって外出の機会が減り、体を動かさないために食欲も減って、肌に必要な栄養素が不足しがちになります。また、就寝中になんどもトイレに行くのを心配し、水分摂取を控えるような習慣も、肌の乾燥に悪影響を及ぼします。

このような、さまざまな要因による加齢による肌の乾燥、ガサつきを「老人性乾皮症」と呼び、高齢者のじつに95%で生じているという報告もあります。

老人性乾皮症は、当然ながら冬の季節は悪化しやすくなります。冬の間、自宅にこもって1日中暖房の風にさらされ続けたり、熱いお湯での入浴を好むような習慣のある方は、肌の乾燥に拍車をかけると考えられます。
冬を乗り切る!乾皮症の効果的な対処法
尿素のはいった保湿クリームでしっかり保湿 冬の間、肌のうるおいを保つには、まずは生活習慣を見直すことが大切です。下表を参考に、日常生活で乾燥、ガサつきを招きやすい要因がないか、見直してみましょう。

肌を乾燥させる習慣、ありませんか?

■入浴
  • 浴槽のお湯は42℃を終えるとかゆみを生じやすい。熱すぎないお湯で入浴を
  • 洗浄剤は殺菌剤や防腐剤、香料の表記などをチェックし、低刺激性の製品を選ぶ
  • 体をゴシゴシこするのは避け、すすぎは入念に
  • 体の水分はやわらかいタオルで優しく、そっと拭き取る
■食事
  • 栄養バランスを考えて外食、ファーストフードは控えめに。極端なダイエット、偏食は禁物
  • 温かい飲み物や汁物で、積極的に水分を補給
■運動
  • 体を動かすことで血流を良くし、汗をかいて肌にうるおいを供給
■衣類
  • 「チクチクする」「かゆい」「赤みが出る」ものは着用を避ける
  • 服以外にマフラーや帽子など、肌に触れるものも要チェック
■室内環境
  • 適度な温度設定で送風の強さや角度を確認し、肌に直接風があたるのを避ける

とくに女性の場合、男性より早く、40代から皮脂の分泌が減少することが分かっています。そのため、20代の頃に覚えたスキンケアでは、なかなか乾皮症が改善しないかもしれません。

薬局では、肌の水分を保持し、角質をやわらかくする尿素入りの「乾燥性皮膚治療薬」が購入可能です。こうしたものをふだんの対処法にプラスし、しっかりとした乾皮症対策を続けましょう。とくに「老人性乾皮症」の場合は、余分な角質を取り除くためにも尿素は有用です。これらの対策を行って、いくつになってもうるおいのある健やかな肌をめざしましょう。

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