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わが子の肌に悩むママ必見!子どもの皮膚と薬の使い方

かゆそうな子どもの湿疹、かぶれ。小さい子どもの皮膚トラブルは見ていて辛く、多くの親御さんの悩みの種といえるでしょう。小さい子どもの肌は発達途中でデリケートなため、対処法にもコツがあります。今回は、子どもに多い皮膚トラブルと、適したケアや薬の使い方についてアドバイスします。

子どもの肌が弱いのはなぜ
小さい子どもはどこがどうかゆいのか、訴えることができません。 理想の肌を「赤ちゃん肌」というように、一般的に、小さい子どもの肌は憧れの対象のようです。たしかに、スベスベして柔らかそうなその肌は一見、トラブル知らずのように見えますが、実際には非常にデリケートな状態なのです。

たとえば、小さい子どもの皮膚は、皮脂分泌が少なく、水分をためこむ機能も未発達です。そのため肌を保護するバリア機能が成熟しておらず、ちょっとした刺激を受けるだけで皮膚トラブルを引き起こす恐れがあります。

小さい子どもの肌が赤く、かぶれている様子を見るのは、親御さんにとっては非常に不安なものです。湿疹をはじめて見て、アトピー性皮膚炎を心配される親御さんもおられるようですが、最終的な診断までには経過観察を要するケースもあります。

さらに、小さい子どもは言葉で訴えることができないため、大人に比べて皮膚トラブルの原因を確定しにくいことも、特性の一つといえるでしょう。 今回は、小さい子どもに生じやすい皮膚トラブルについて、おもな種類とその対処法を紹介します
生まれてすぐの皮膚トラブル~乳児湿疹
かき壊さないよう、こまめに爪切りをしましょう。 小さい子どものなかでも、生後すぐに生じやすい皮膚トラブルに乳児湿疹があります。赤ちゃんの肌は新陳代謝が活発である上、生後3ヵ月頃までは皮脂の分泌もさかんです。
そのため、余分な皮脂が毛穴に詰まって炎症を起こしやすく、頭皮や髪の生え際、眉毛などでは、皮脂と汚れが混じった白っぽいかさぶた状の湿疹ができることもあります。

恐らく生まれてはじめての皮膚トラブルに、親御さんもビックリするかもしれません。ですが、乳児湿疹は、多くの子どもが経験する皮膚トラブルです。適切なケアで自然と治り、原因である過剰な皮脂の分泌も、成長とともに抑えられていきます。
特別なスキンケアは必要なく、つねに清潔を心がけ、余分な皮脂を低刺激性石けんで洗って取り除いて下さい。かさぶた状の湿疹は見ためにも気になるところですが、無理やりはがすのは肌に良くありません。適切なケアを続けながら、徐々にはがれ落ちるのを待ちましょう。

また、ほかの皮膚トラブルにも共通して言えることですが、皮膚に異常やかゆみがあると、小さい子どもは無意識にかき壊してします。そこから細菌感染する恐れもあるため、常に爪の先端を丸く短く切っておくことをお勧めします
冬でも要注意!あせも
エアコンの温度は20℃程度に設定しましょう。 小さい子どもは、とても汗かき。その小さな体に大人と同じ数の汗腺がある上、汗腺自体が未発達なため、かいた汗が出口で詰まってあせもができやすいのです。
あせもは夏に多い皮膚トラブルですが、最近は冬場でもあせもができるケースが増えています。たとえば、エアコンで室内が適温になっている中、何枚も重ね着をさせて、その状態で昼寝をすれば、小さい子どもは汗だくになってしまいます。

エアコンの温度設定は各家庭の環境によって異なりますが、まずは室温が20℃程度になるのを目安に設定し、子どもが汗をかいていないかこまめにチェックをしましょう。汗をかいているときは、やわらかいタオルなどで優しく拭うか着替えをさせて、汗を放置しないことが大切です。

外出時には、外気が低くても屋内や人ごみの中では意外に子どもは汗をかきます。そうした環境では様子をみながら、コートやマフラーを脱がせ、体温がこもらないようにしてあげましょう。

あせもができた場合、症状が軽ければ薬局などで購入できるステロイド外用剤を塗って様子をみるのも良いでしょう(「正しく使えばステロイド外用剤は怖くない!」を参照)。数日様子を見て、症状が改善しない場合はセルフケアを中断し、すみやかに医療機関を受診して下さい。
子どもにもある接触皮膚炎
接触皮膚炎というと、大人の金属アレルギーなどを思い浮かべるもしれません。ですが、小さい子どもであっても、身の周りのありふれたものが原因となって接触皮膚炎を起こすことがあります。とくに冬の季節は乾燥により肌のバリア機能が低下しやすく、より症状を起こしやすい状態になっているといえます。

赤ちゃんの場合に多いのは、よだれや食べかす、おむつの素材や付着した尿や便、すすぎ残しの洗剤などが肌を刺激し、かぶれを起こすケースです。他の皮膚トラブルと異なり、原因となる物質に触れたところだけが赤くかぶれることから、接触皮膚炎を疑うことができます。

口のまわりのかぶれは、こまめに拭いて清潔を保つことで、症状は改善されます。おむつかぶれの場合は、適切なサイズのものを選び、長時間つけっぱなしにせず、皮膚に付着した汚れをやさしく拭き取りましょう(「何とかしてあげたい…!赤ちゃんのおむつかぶれ対策」を参照)。

衣類に残留する洗剤への対策としては、すすぎの回数を増やす、温水を使ってすすぐ、洗剤の量を減らすこと等によって、かぶれの軽減が期待できます。いずれの場合も、症状が軽い段階では炎症を抑える効果のあるステロイド外用剤を用いることで、治りを早めることが期待できます。ただし症状が長引き、原因がはっきりしないような場合は、漫然と使用せずに医療機関で相談をして下さい。

いずれの皮膚トラブルも、小さい子ども特有の皮膚のバリア機能の低さが背景にあります。そのため、成長するにつれ「そういえば、症状が出なくなった」と、いつの間にか改善されているケースも多いものです。

一般的に、一時的な皮膚トラブルに対して過剰な心配は必要ありません。日常生活や、季節の変化の中で子どもの皮膚をこまめに観察しながら、デリケートな皮膚を守ってあげましょう。
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