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かき壊しに注意!特にかゆい冬のじんましん

じんましんは、蚊にさされたような膨らみとかゆみを伴う、嫌な症状です。その原因はさまざまですが、冬の季節は、寒い屋外から暖房の効いた部屋に入ったときのような、急激な温度変化が原因で出る場合もあります。今回は、じんましんの原因と予防法、そしてじんましんが出てしまったときの対処法についてアドバイスします。

じんましんとはどんな病気?
小さい子どもはどこがどうかゆいのか、訴えることができません。 突然、肌の一部が赤くくっきりと膨らみ、しばらくすると消えてしまうじんましん。漢字で「蕁麻疹」と書くのは、蕁麻(別名・イラクサ)の葉に触れたときに、赤く膨らんだ肌症状が出ることに由来しています。

肌の膨らみの大きさや形はさまざまですが、かゆみを伴うのが特徴で、まれにチクチク感や焼けるような感覚を伴うこともあります。多くの場合、症状は数時間以内に消えますが、かゆみがあるためついかいてしまい、症状を悪化させるケースもあるようです。

このように、じんましんがかゆいのは、肌の中に「マスト細胞」と呼ばれる、かゆみ爆弾のような細胞が散らばっているのが原因です。

マスト細胞は、ふだんはおとなしくしているのですが、何らかのきっかけによって刺激されると、血管や神経を刺激する物質を放出します。それにより、かゆみや赤み、膨らみといったじんましんの症状を引き起こすのです。
じんましんを引き起こす原因
そもそも、じんましんは何がきっかけで起こるのでしょうか。

マスト細胞を活性化する刺激にはさまざまなものがありますが、大きく分けて「特定の刺激が原因のタイプ」と、「原因不明のタイプ」で説明することができます。

「特定の刺激が原因のタイプ」はさらに、「アレルギー反応によるもの」「物理的刺激によるもの」「発汗刺激によるもの」の3つに分類されます



特に冬の季節は、物理性じんましんの一種として、急な温度変化によりじんましんが出ることがあります。たとえば、寒い脱衣場からいきなり熱い浴槽につかったり、逆に、暖房の効いた建物から寒い屋外に出て、作業やスポーツをするときなどが挙げられます。

「原因不明のタイプ」は、原因が分からないのに症状が出没するため、患者さん自身も不安になりがちです。なかには、内臓に病気があるのではないかと心配する人もいますが、基本的に因果関係はありません。

多くの場合、1ヵ月以内に治り、それ以上長引く場合も、1~2年以内をピークとして徐々に軽くなっていくとされています。
じんましんの原因を知る方法
じんましんが頻繁に出る場合は、医師の診察を じんましんがたびたび出る場合、その原因を調べ、予防につなげるためにも、医師の診察を受けることをおすすめします。

アレルギー性のじんましんであれば、血液検査やプリックテスト※によって、比較的簡単に判定することができます。ただし、この検査の結果、ある物質が陽性と出ても、すぐにじんましんの原因とは特定せず、それまでの経過や症状などもかんがみ、医師が総合的に判断します。

物理性じんましんでは、まさつや寒冷・温熱、圧迫など、原因として疑われる刺激を与え、本当にじんましんが出るかどうか確認する検査があります。

コリン性じんましんは、アセチルコリンという神経伝達物質の働きにより生じるため、直接アセチルコリンを注射して反応をみるという方法もあります。

ひとくちにじんましんといっても、原因物質によっては非常に重い症状が出る場合があります。気になる人は、体質改善などを考えるより先に、まずは医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。

※出血しない程度に肌をひっかき、そこに原因と思われる物質をのせて浸透させ、反応をみるテスト
どうやって治す?じんましん
じんましんの治療には、かゆみを抑える目的で、抗ヒスタミン剤の内服を行います。ただ、冬は乾燥によって肌が刺激を感じやすく、かゆみの症状がより強く出る恐れもあります。強いかゆみで肌をかき壊してしまった場合には、炎症をしっかり抑える「ステロイド成分」と傷口の細菌増殖を抑える「抗生物質」の両方が配合されたステロイド外用剤が適しています(「皮膚の炎症で「抗生物質」は使うべき?」を参照)。

また、じんましんの原因が分かっている場合、その予防策として「取り除く、避ける」ことも効果的です。とくにアレルギー性じんましんの場合は、原因となる食品や薬品を避けることで、その後、症状が出なくなります。

一方、物理性やコリン性じんましんの場合、完全に原因(まさつ、寒冷・温熱、圧迫、発汗刺激など)を取り除くのは難しいかもしれませんが、日常生活での意識や注意が予防につながると期待されます。

どのような予防策が自分に合っているか、医師に相談してみると良いでしょう。

●日常生活でできるじんましんの予防策
・下着や衣類は、サイズの合ったものを選ぶ
・ベルトなどしめつけがきつい場合は身につけない
・重い荷物(スーパーの袋など)を、直接腕にぶらさげない
・暖房の効いた部屋から寒い戸外へ出るときは、短時間でもしっかりした防寒対策を行う
・寒い日の入浴は、温水シャワーやかけ湯である程度体を温めてから浴槽につかる

なお、じんましん以外にまぶたや唇の腫れ、呼吸困難を伴う場合は危険な状態です。すぐに医療機関を受診して下さい。
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じんましんの基礎知識と対処